新潟知事選ー選挙を市民が作るということー

新潟県知事選挙は現職の泉田裕彦知事の出馬、そして長岡市長であった森民生氏の立候補から始まりました。参院選後現職泉田知事を応援すべく市民が立ち上げた「おむすびの会」はたった二日後に泉田知事の県知事選からの撤退のニュースを聞くこととなります。そしておむすびの会はもとより多くの県民の失意を受け「泉田知事に撤退の撤回を求める緊急アンケート、ウェブ署名」等が県内外各団体によって行われました。結果として泉田知事による撤退の撤回は行われず対立候補不在の懸念もありましたが、なんとか告示日の6日前に米山隆一氏が民進党を離党し市民団体や共産、社民、せいかつ、新社、みどりの各党からの支持を受け出馬が決まりました。新潟県知事選挙は自民党が支持の森民生候補との事実上の一騎打ちとなりました。

「泉田知事に撤退の撤回を求める緊急アンケート、ウェブ署名」は対立候補が出ない中、泉田知事の他には考えられないというわたしたち県民の強い思いから、県民が多くの署名を集めることができたら、民意が伝わったら「知事選からの撤退を撤回し再度、立候補していただけるのではないか」とそんな思いで始めました。集めてみてわかったことは多くの方が泉田知事の撤退に大きなショックを受けていてその気持ちを救う受け皿が必要であった。それがおむすびの会の役目でもあったと感じました。
さらに言えば選挙において現在の首長を交代させ、さらに良い政治をと願う従来の選挙ではなく、県政を評価し辞めないで欲しいと、続投を切願し市民から署名活動がなされたことも稀に見るものだったのではないでしょうか。
こんなに県民から愛された政治家は居なかったのではないかと思うほど、退任まで多くの県民に見送られた泉田知事の功績は大きく、その穴を埋められる候補者を市民主導で、納得できる方を擁立する必要があったと思っています。

県知事選挙の対立候補擁立へ直接関わったのは7月の参院選にて共闘した社民、共産、せいかつ(自由)の3党と新社会、みどりそれと市民でした。民進や連合についてはそれぞれの事情もあったことから強制せず、でもそこに悪いイメージを持つことなくいつでも受け入れる体制を持ちながら、幾度となく候補者擁立へ調整を重ねました。いろんな人の名前が出ては消えた中、民進党を離党して米山隆一さんが立候補への覚悟を決めてくださいました。
当時現泉田知事の原発への対応を継承する、再稼働は認められないとした公約で医師や弁護士でもある米山候補が医療や介護、人口減少、奨学金問題、そして経済面など多岐に渡る公約で県民の希望を拾い上げたのではないかと思います。偶然相手候補とバッティングしてしまった街宣では、米山候補を応援する市民数のあまりにもの違いに、49歳という若い新知事の誕生を県民が切望している、と言うことを感じずにはいられませんでした。
県内外から新潟県民へ向けての電話かけやチラシ折りなど応援に駆けつけ参加くださっていましたし、各地での街宣を重ねながら援軍として中央から各党の国会議員も新潟入りしてくださり、終盤には民進党党首も駆けつけてくださるという、あたかも参議院選挙を彷彿とさせるような野党共闘の県知事選挙となりました。

今まで選挙へ行っていたという人はいても、選挙事務所へ出入りして応援していたという市民は極僅かでした。選挙ポスター、電話、デスク…と殺風景な事務所が、女性、しかもお母さんたちや市民の手作りプラカードやポスターなどを使って装飾したことでもっともっと子どもたちを連れたお母さん、一般市民が入りやすい雰囲気を作り上げました。選挙事務所にキッズスペースができ、今までの事務所の固い雰囲気がいっきに明るいものとなっていきました。何よりそれは相手候補の事務所の雰囲気と比べても市民が参加した選挙という意味では明らかに色の違う楽しそうな事務所でした。
新潟に新しいリーダーを誕生させる会を選挙母体とし市民の会が勝手連となって、参議院選挙同様にそこからの選挙戦を盛り上げていくこととなります。告示日まで日がない中の立候補だったにも関わらず、チラシへの証紙貼りや電話かけ、街頭に出た通行者のアピールなど思い思いに動いてきました。今回の知事選は更にはじめましての市民の方が事務所へ通ってくださり、2ヶ月前の参院選に比べより増えた市民ボランティアと、野党共闘で培った党派を超えたつながり。これが大きな土台となって県知事選挙を盛り上げたのだと思います。
街頭演説では党の動員でなく多数の一般の有権者で街頭が埋まりました。「よねやま」コールがどこからともなく起こり、その後街宣する他候補陣営から同様のコールをも誘発してしまうほど米山陣営への熱狂ぶりを見せました。これは争点が「新潟柏崎刈羽原発の再稼働問題」そして「泉田知事の県政を継承する」という、県民にとって触れざるを得ない問題に真正面から向き合っていたからだと考えるし、今までの泉田県政を支持していた県民が知事退任後に感じた不安を米山氏で一気に希望とへ変えたものだと思っています。
投票率も前回の知事選と比べ9、1ポイント上昇、通常では困難であろう原発問題を争点とした新潟県知事選挙にて野党と市民の勝利となりました。